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22 新生活

LA VENTIDUESIMA PUNTATA  "LA NUOVA VITA"

第22話 新生活

日本にいた頃から、懸賞とか、ポイントを集めると割引きが利くとか
そういうことに弱かった。
イタリアでは日本ほど懸賞を見かけないのだが
(あってもコカ・コーラなど世界的巨大メーカーが多い)、
スーパーと牛乳は必ずといっていいほどポイント制である。

牛乳の場合はスーパーや商店のレジに置いてある台紙付きのそのメーカー専用のカタログをもらってきて、
パッケージにある点数を切り抜いて貼り付けていく。
わたしが集めている“Centrale del latte di Roma”というメーカーのポイントは2年間有効。
この4年間でパスタ鍋を一度獲得した。
集めた点数によってカタログから商品を選ぶ仕組みになっている。

多くのスーパーがポイント・カード制をとっており、このカードは無料で作れる。
引っ越してきてからは行くスーパーが一定していないので、
なかなかポイントが貯まらない。
点数によって獲得できる商品をカタログから選ぶのは、牛乳と同じである。
今のところSIDIS、STANDA、SMA、GS、PAMと5つのスーパーのカードを持っている。
一番よく行くのはディスカウント・スーパーのTODIS。
ここに限ってポイント・カード制をとっていないのが残念だが、その分「ディスカウント」しているのだろう。
イタこまち(イタリアで栽培しているあきたこまち)が安く売っているのでよく行く。
商品の並べ方は日本のBig-A(関東の人なら分かってくれる?)によく似ている。

大手チェーン書店のFeltrinelliもポイント・カード制を採るようになった。
系列のCD・DVDショップRICORDI MEDIA STORESでも使える。
ここのカードは商品がもらえるのではなく割引き制で、
3ユーロの買い物ごとに1ポイントが付き、
30ポイントで5ユーロ、60ポイントで15ユーロ、100ポイントで30ユーロの割引きとなる。
本はあまり買わないのだが、CDやDVDは時々買うので
カード発行手数料2ユーロを払っても得かな?と思い、作ったのだ。
去年、家の近所に支店がオープンしたことも理由の一つだ。
Viale Giulio Cesare(ジュリアス・シーザー大通り)沿い、地下鉄Ottaviano駅のすぐそばであり、
かつてRICORDI MEDIA STORESがあった場所である。
この店の壁に何人かのアーティストの顔写真と
彼らの名言・格言が書いてあるポスターが貼ってあるのだが、
イタリアの女性歌手カルメン・コンソリのそれを見るたびに
大竹しのぶを思ってしまう。似ているのだ。
同居人38ちゃんもこれには賛成であった。

日本でもそうかもしれないが、
特にイタリアでは、なじみの店を作ることが自分が住む地域に馴染む最大の要素である。
まずはBAR(クロワッサンとカップッチーノの朝食をとったり、
休憩にエスプレッソを一服しに行く喫茶店のようなところ)、
そして肉屋や八百屋、パン屋、煙草屋、クリーニング屋なども必要となってくると思うが、
わたしにもなじみの店が増えてきた
引越してくる前から常にわたしの胃袋であり続ける近くのレストランVarroneや
いつも行っているので時々端数を切り捨てては会計してくれる
職場向かいの新聞・雑誌のキヨスクは別として、
ゆかりさんの経営するジェラート屋さん、いくつかのスーパー、自転車(部品・修理)屋さん、
眼鏡屋さんなど、わたしの生活に欠かせない店がでてきたのだ。

コンタクトレンズの購入には、以前は、
少し遠くはあるが大型の格安専門店までバスで行って、
大手メーカー、ボシュロムのものを買っていた。
安いのが利点だが、大きな店なので店員がいっぱいいるし、入れ替わりも激しい。
一方最近行くようになった近所の眼鏡屋は、個人経営の小さい店。
ボシュロムがないというのでどれにしようかと迷っていたら、
いろいろと目の相談にのってくれた
結局すすめられて選んだコンタクトは、
今まで何の疑問も持たずに使っていたボシュロムのなんかより
数倍爽快の着け心地で、視界がキレイになった。
体質によって適切なものを選ばねばならないことを改めて実感、体感した。
イタリアには、そして特にわたしの住むゾーンには
こういった小さな個人商店が立派に仕事をしている。
日本のように機械的に接客されることなく、
お店のおじさんと話を楽しむこともできる。

先日は近所の布団屋さんを利用する機会があった。
住所を聞かれたので番地を言うと、それだけでどの建物か分かったようで、
頼んだマットレスをすぐに持って来てくれた。
5階、エレベーターなしなのに、である。
世間話をしたりなんかして、地域密着型の商店はこういうところがいい。

庶民の住むところでありながら、
ローマ市内の中でもちょっと都会的要素もあるPRATI(プラーティ)と呼ばれる地域である。
ヴァチカン美術館まで歩いてすぐのこの恵まれた所に引っ越してきて早くも一年が過ぎた。
職場からも歩いて行き来できるので、もはや自転車も必要ない。
行き帰りの道も楽しく、週末の夜などはJAZZの生演奏がどこかから聞こえてきたりする
ライブを売りにしているカジュアルなバーなどが多いのだ。

遊びに来てくれた友達もイタリア、日本からを問わず既に結構いる。
「あら、わたしまだだわ」という方、マミの新生活を覗きに来てみては?

(2006年6月)

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